NB SCAN

NB SCAN (Neighbour Scan) は、近隣のノードを探索する目的で使用します。

探索を行うノードは、応答要求の同報通信を行います。これに周囲のノードが応え、応答のあったノードの一覧を報告します。探索されたノードは LQI の順にソートされます。

単純ネットのみ利用可能。

比較的通信が安定し、通信量も少ない条件では探索の成功率が高くなりますが、条件が悪化すると全く探索できなくなる場合もあります。

条件の悪い場所では、存在を知らせるべきノードが定期的に同報通信によるビーコンパケットを送信し、探索側がこのビーコンを受信しながら近隣ノードの存在を確認する実装を行います。

定義

探索する側はToCoNet_USE_MOD_NBSCANを、探索される側はToCoNet_USE_MOD_NBSCAN_SLAVEを定義しておく。

// define modules
#define ToCoNet_USE_MOD_NBSCAN
#define ToCoNet_USE_MOD_NBSCAN_SLAVE

// includes
#include "ToCoNet.h"
#include "ToCoNet_mod_prototype.h"

関数

ToCoNet_EnergyScan_bStart()

近隣探索を開始します。

uint8 ToCoNet_NbScan_bStart (uint32 u32ChMask, uint16 u16Dur_ms)

引数

名前
詳細

uint32

u32ChMask

探索するチャネルマスク(ch16のみなら 1UL<<16 を指定、ch16,17なら 1UL<<16|1UL<<17 を指定)

uint16

u16Dur_ms

各チャネルの探索時間。おおむね 50ms 以上を推奨値とします。

戻り値

詳細

boot_t

TRUE なら要求は受け付けられ、FALSE なら要求は受け付けられなかった。

ToCoNet_NbScan_bStartToFindAddr()

特定アドレスのノードを見つける目的で、近隣探索を開始します。

uint8 ToCoNet_NbScan_bStartToFindAddr (uint32 u32ChMask, uint32 u32Addr)

同じチャネルのノードが存在するかは、MAC Ack 付きのパケット送信を試みれば確認できますが、ノードのチャネルの設定が不明である場合に利用します。

引数

名前
詳細

uint32

u32ChMask

探索するチャネルマスク(ch16のみなら 1UL<<16 を指定、ch16,17なら 1UL<<16|1UL<<17 を指定)

uint32

u32Addr

探索するノードのロングアドレス

戻り値

詳細

boot_t

TRUE なら要求は受け付けられ、FALSE なら要求は受け付けられなかった。

イベント

結果は cbToCoNet_vNwkEvent() より E_EVENT_TOCONET_NWK_SCAN_COMPLETE イベントにて報告されます。イベント引数には tsToCoNet_NbScan_Result 構造体へのアドレスが指定されます。

case E_EVENT_TOCONET_ENERGY_SCAN_COMPLETE:
    _C {
        uint8 *pu8Result = (uint8*)u32arg;
    }

pu8Result の値

[0]
計測されたチャネル数 [N]。

[1]

計測された一番若い番号のチャネルレベル。

[2]

次に若いチャネルレベル。

... [N]

Nまで続く。

レベルは 0..255 の値を取り、0 が最弱、255が最強となる。値が高いほどノイズの多いチャネルとなります。

構造体

tsToCoNet_NbScan_Result

近隣探索の結果を格納する構造体。

uint8

u8found

見つかった数。

uint8

u8scanMode

探索方法。

uint8

u8IdxLqiSort

LQI に順に並べたときのsScanResultのインデックス

tsToCoNet_NbScan_Entitiy

sScanResult[NBSCAN_MAXLIST]

探索されたノード情報

u8scanModeのビットマップ

ビットマスク
解説

TOCONET_NBSCAN_NORMAL_MASK

ToCoNet_EnergyScan_bStart()による探索

TOCONET_NBSCAN_QUICK_EXTADDR_MASK

ToCoNet_NbScan_bStartToFindAddr()による探索

tsToCoNet_NbScan_Entitiy

近隣探索で発見された各ノードの情報を格納した構造体。

名前
解説

uint32

u32addr

ロングアドレス。

uint16

u16addr

ショートアドレス。

uint8

u8ch

発見されたノードの設定されたチャネル。

uint8

u8lqi

発見されたノードのLQI。

uint8

bFound

探索に成功した場合は TRUE、失敗した場合は FALSE

サンプル

// define modules
#define ToCoNet_USE_MOD_NBSCAN
#define ToCoNet_USE_MOD_NBSCAN_SLAVE

// includes
#include "ToCoNet.h"
#include "ToCoNet_mod_prototype.h"

void cbToCoNet_vNwkEvent(teEvent eEvent, uint32 u32arg) {
	int i;
	switch(eEvent) {
	case E_EVENT_TOCONET_NWK_START:
		break;

	case E_EVENT_TOCONET_NWK_SCAN_COMPLETE:
		_C {
            tsToCoNet_NbScan_Result *pNbsc = (tsToCoNet_NbScan_Result *)u32arg;

            if (pNbsc->u8scanMode & TOCONET_NBSCAN_NORMAL_MASK) { // 通常探索による結果
                // 全チャネルスキャン結果
                for(i = 0; i < pNbsc->u8found; i++) { // 見つかった数
                    // LQI 順に取り出す
                    tsToCoNet_NbScan_Entitiy *pEnt = 
                        &pNbsc->sScanResult[pNbsc->u8IdxLqiSort[i]];
                    if (pEnt->bFound) {
                        // エントリが見つかった
                        //   pEnt->u8ch(チャネル), 
                        //   pEnt->u32addr(ロングアドレス), 
                        //   pEnt->u16addr(ショートアドレス),
                        //   pEnt->u8lqi(LQI値)
                    }
                }
            } else if (pNbsc->u8scanMode & TOCONET_NBSCAN_QUICK_EXTADDR_MASK) { // アドレス指定探索の結果
                if(pNbSc->u8found) {
                    tsToCoNet_NbScan_Entitiy *pEnt = &pNbsc->sScanResult[0];
                    // 見つかった場合は一つだけなので最初の要素を取り出す。
                    //   pEnt->u8ch,
                    //   pEnt->u8lqi(LQI値)
                } else {
                    // 見つからなかった
                }
            }
        }
		break;

最終更新